2024年6月20日木曜日

芝刈りロボットの最期

 昨年後半から、芝刈りロボットが停止する頻度が増えていた。
東京から八ヶ岳の山荘に着いて、まず目にするのが芝の状態だ。
最近はたいてい伸びきっていて、雑草が花を咲かせていることが多い。1週間程度の放置であれば、再びロボットを稼働させれば2日くらいで綺麗になる。
しかし、2週間も経った場合は、さすがにロボットでは難しい。
今回は来客もあるので、今季初めてバッテリー式芝刈り機を使って自分で2時間かけて刈った。

大まかに刈った後はロボットに任せる。しかし、今回大きなミスを犯してしまった。新しく買った軽トラの下にロボットが潜り込んで止まっていたのだ。潜り込んでしまうのはよくあることなので、引っ張って取り出すと、ロボットのボディーに穴が開いていた。触ると熱くなっていて、溶けて穴ができているようだ。

なんとリアエンジンのサンバー故に、ロボットのボディーがエンジンに直接触れ、エンジンのボルトの熱で穴が開いてしまったのだ。ここから水が入ったら困るので、ダクトテープで補修した。

しかし、これでは終わらなかった。今度は僕のSUVの下に入り込んでいたのに気づかず、そのまま車を走らせてしまった。ロボットを引きずってしまい、ボディーに強い力が加わってしまった。もう終わったと思ったが、ロボットに電源を入れると再び動き出したのだ。なんと丈夫なんだろう。

農作業を終えて戻ってきたら、ロボットは庭の隅で停止していた。よく見ると、タイヤのアームが変形してタイヤが回転しない状態だった。さっきはよく動いていたと思う。結局、再び電源を入れようとしたが、もう動かなくなってしまっていた。

ボクはこの芝刈りロボットを非常に愛していた。ランダムに芝を刈っているロボットを眺めながら酒を飲むのが好きで、6年経った今でもその光景にボーッと見入ってしまう。落雷や冠水など、大きなトラブルも乗り越え、6年間素晴らしい仕事をしてくれた。庭の一角で働くその姿は、ボクにとって一種の癒しだった。

ロボットがランダムに芝を刈る様子は、何か不思議な安心感を与えてくれた。風が吹き、鳥がさえずる中、ロボットがコツコツと働く姿を見ていると、日々の喧騒を忘れ、心が穏やかになった。特に夕暮れ時、ロボットが庭を行き来する姿を眺めながら、冷えたビールを一口飲むと、一日の疲れがふっと消えるのを感じたものだ。

しかし、ロボットも機械である以上、永遠に動き続けるわけではない。最後に動かなくなった瞬間、まるで長年の友が静かに息を引き取ったような気持ちになった。ロボットはその耐久性と仕事ぶりでボクを何度も驚かせてくれた。6年間、共に過ごした時間に感謝の気持ちを込めて、心から「ありがとう」と伝えたい。

ロボットの最期を見届け、ボクは新たな芝刈りロボットを探すことになった。しかし、この6年間の思い出は、ずっと心に残り続けるだろう。芝を刈る音、動き回る白いボディー、そのすべてがボクの日常の一部だった。新しいロボットにも、同じように愛情を注げるかはわからないが、これからも庭の手入れを通じて、豊かな時間を過ごしたいと思う。



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