前夜の静寂と長い夜明け前
前日は20時に就寝。しかし目が覚めたのは深夜0時半。そこから再び眠ることができず、結局4時には起き上がり、レースの準備を始めた。
朝食は日本から持参したお粥、バナナ、ウイダーインゼリー、そしてガリさんにもらった味噌汁とワラビート。ホテルから会場までは徒歩10分ほどと近く、5時半近くまでゆっくり過ごしてから会場へ向かった。
外はまだ真っ暗で、ようやく明るくなり始めたのは7時ごろ。気温はさほど低くなかったが、待機時間が長いため、パーカーとスウェット、そしてNYで手に入れた厚手のポンチョを羽織って寒さをしのいだ。トイレは空いているうちに早めに済ませておく。
スタート — ガリさんと共に
今回はガリさんと同じコーラルCからのスタート。スタート地点は混み合っていたが、走り出してしまえば広い道でストレスはなかった。
今回も作戦はシンプル。「序盤はガリさんについていく」。ただし、彼は自己ベスト(2時間55分切り)を狙うペース。最初から最後まではついていけないとわかっていたので、無理そうならすぐに自分のペースへ切り替えるつもりだった。
5kmまでは順調。少し遅めの入りに感じたが、そこからガリさんがスッとペースを上げる。ついていくこともできたが、「これは42kmはもたない」と判断し、少し距離をとって追う形に。15km地点まではサブスリーペースを上回る快調な走り。
中盤 — 微かな違和感
ハーフ通過は1時間28分58秒。まだサブスリー圏内。しかしこのあたりから胃がムカムカして、頭がぼんやりしてきた。
中足骨の痛みも序盤から続いていたが、金沢マラソンの時のように「止まりたくなるほど」ではないのが救いだった。
30km通過時の5kmラップは21分32秒。サブスリーペース(21分15秒)を下回り、じわじわとペースが落ちていく。前半の貯金でなんとかサブスリー圏内にはいるが、「このまま維持できるか」と問われれば自信はなかった。
終盤 — 気力だけのラスト10km
それでも4分30秒/km以内をキープしようと必死に脚を動かす。35kmを過ぎるとタイムを見るのをやめた。時計が気持ちの足枷になると感じたからだ。
残り2マイルがとにかくきつい。脚が動かず、手を振ることで無理やり体を前へ進める。ラスト1マイルでは気力すら薄れ、残り300mの登りで心が折れかけた。それでも前へ。フラフラになりながらゴールラインを越える。
手元の時計を見ると「3時間2分台」。思っていたよりも早かった。心の底からホッとした。
レース後の振り返り
前回の金沢マラソン(2024年10月)から7分12秒短縮し自己ベスト更新。
中足骨骨頭痛を抱えながらも、限られた練習の中でここまでの結果を出せたのは大きな収穫だ。走り終えてもダメージはほとんどなく、痛みのある箇所以外はすぐに回復。
何より「痛みと付き合いながら最後まで走り切れたこと」が嬉しかった。リハビリやフォーム改善の試行錯誤を続けてきた成果を感じた。
次の挑戦へ
次戦は1月末の勝田マラソン。
今回は序盤からペースを上げすぎた反省を踏まえ、一定のリズムを保ち、後半も落とさず走る「計画的なレース」を目指したい。
フルマラソン3戦目となった今回も30km以降で失速したが、それも含めて楽しかった。何より、今回もガリさんと一緒に走れたことが大きな励みになった。
そして今シーズン最大の目標、東京マラソンでのサブスリー達成へ。
その一歩として、シカゴの街で刻んだ3時間02分52秒は、確かな自信になった。
追記 — ガリさんの快挙
一緒に走ったガリさんは、見事2時間55分台で自己ベストを更新。
このシカゴマラソンをもって、6大マラソン(ワールドマラソンメジャーズ)を全て制覇し、記念メダルを手にした。
隣でその瞬間を共有できたことは、今回のレースをより特別なものにしてくれた。
0 件のコメント:
コメントを投稿